
葬儀の意味を考える
家族葬は、故人を大事に思う人たちが集まり、十分な時間をかけて故人を送るという、弔いの原点に立った葬送方法です。
しかしなかには、単に「めんどうでないから≒経済的だから」といった安直な理由で家族葬を選択する人がいるのは残念なことです。
「人の死」というのは、残された家族や故人と関係の深い人々にとっても、悲しみやショックをもたらす大きな出来事。
お葬式はその「人の死」を受けとめ、対処するための「儀式」といえます。
ここで、お葬式をする意味を考えてみましょう。
①遺体を処理し、葬る
遺体は死後腐敗します。故人の尊厳を守るため、火葬して葬ることが必要です。
②死者を送る
死者をこの世から「あの世」に送り出すために、ほとんどが宗教的儀式を行います。
③社会に死を知らせる
死を社会的に告知し、生前関係のあった人だちと故人が互いに感謝とお別れをする場です。
④死を受容する
遺族が死を受けとめ、悲しみを整理し心の平安を得るための第一歩です。
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心のケアを重視する家族葬
家族葬のよさは、「会葬者中心ではなく、遺族中心の葬儀」というところにあります。
十分なお別れができてはじめて遺族は大切な人の死を受容することができます。
そういう意味では、遺族の心のケアを重視する葬儀ともいえるでしょう。
このような家族葬の意味とよさを理解し、後悔のない葬儀にしたいものです。
家族葬の準備
エンディングノートを読む
エンディングノートは、死に関しての本人の意思表示です。
エンディングノートがあるなら、それを家族全員でしっかり読んで、本人が生きているうちから、早めに葬儀の準備をスタートしましょう。
本人が家族葬を希望しているなら、それができるかどうか、家族でよく話し合います。
本人の希望に沿うためには、家族が足並みをそろえ、皆で協力してその実現に努力したいもの。
葬儀の終わったときの充足感が違います。
まずは家族の間で、よく話し合って、どんなイメージの葬儀にしたいかをまとめておくと、葬祭業者にも、具体的な内容を相談しやすくなります。
家族葬にすることを、事前に親戚に相談するかどうかは迷うところです。
世の中には、新しいことにクレームをつけたい人や世間体を気にする人も多いもの。
そんな場合は、直前まで知らせないほうがいいでしょう。
もちろん、理解を得られそうであれば、事前に相談・説得をするという方法も。相手をみて、ケースバイケースで判断してください。
葬祭業者に希望を伝えて相談
次に、納得のいく葬祭業者を探します。
いまは葬儀の事前相談を受け付けている葬祭業者も多いので、何度か足を運んで、気持ちの通じ合う業者を選ぶといいでしょう。
新しいタイプのお葬式なので、準備の段階で葬祭業者とのコミュニケーションを十分とっておくことが大切です。
「こういう葬儀にしたい」
という内容と、予算額を明確に業者に伝えます。
白紙委任は絶対にしないこと。
「世間並みに」「人並みに≒多少金額は張っても」「恥ずかしくない程度に」などという、あいまいな表現もしないようにします。
料金を見積もってもらうとき、
①自宅で行うか、斎場で行うか
②祭壇はどうするか
なども、家族で相談して決めておかなければならないでしょう。
必ず見積書をとり、その内容についてはこまかい点まできちんと説明してもらいます。
見積書を出さないような業者には、依頼しないほうがいいでしょう。
宗教をどうするか
仏式など宗教儀礼を行う葬儀にすることも、無宗教葬として行うこともできます。
本人の希望を大事にして決めればいいのですが、お墓が寺院墓地にある場合は仏式にして、菩提寺に戒名をいただく形がいちばんスムーズです。
仏式で行いたいが、家の宗派がわからないというときは、親戚にたずねるといいでしょう。
希望の宗派の僧侶を紹介してくれる葬祭業者もありますので、相談してみましょう。
お墓の問題がなければ、宗教色のない葬儀にすることもできます。
参列者と、死亡を通知する人、2つのリストをつくる
亡くなったとき、家族以外の親族、友人のだれに知らせるかは、家族葬にとっては重要なポイントとなります。
なぜならそれは、通夜、葬儀・告別式に列席してもらうリストだからです。
エンディングノートに本人の記載があれば、それに従います。
家族で選択するなら、本人の生前の人間関係を思い起こし、信頼を寄せていた人を選びます。
「呼ばねばならない人」中心では、家族葬の意味がありません。
「来てほしい人」を目安に選びましょう。
人数は上限が30人くらいですが、無理に増やすことも減らすこともありません。
また、死亡の告知は、葬儀を主宰した人の務めです。
家族葬の場合は、葬儀を終えたあとで、死亡の通知を出すことになります。
もれのないように、本人の関係、遺族の関係などに分け、早めにリストをつくっておきましょう。
そのほか決めておくこと
①香典、供物、供花を受け取るか、受け取らないか
列席者だけでなく、知らせを聞いて弔問に訪れる人たちの「志」をどうするかも決めておきます。
そうしておかないと、あの人からは受け取り、この人のは辞退、となると、あとでトラブルになりかねません 。
②お別れ会をするかどうか
遺族が、日を改めてお別れ会をする例はそれほど多くはありませんが、次のような場合には開くこともあります。
●家族だけで葬儀をした場合
●故人の生前のつきあいが広く、なんらかの形でお別れしたいと願う人が多い場合
遺族ではなく、友人たちが主宰して、お別れ会や偲ぶ会を開くことは、よくあります。
③遺影や音楽を選んでおく
遺影として使う写真を選んでおきます。本人が指定したものがあれば、それを使います。
本人の希望、または遺族の意思で、葬儀中に音楽を流したいとか、メモリアルコーナー などをつくりたいと思うときは、そのときになって、あわてずにすむよう、本人の好きだった曲を選曲しておいたり、コーナーに飾るものをまとめておきます。
【家族葬の準備チェックリスト】
□エンディングノートを読むなどして、本人の希望を確かめる
□家族で話し合う
□予算を立てる
□宗教をどうするか、検討する(→必要ならば菩提寺に相談する)
□参列者と、葬儀後に死亡の通知を出す人の、2つのリストをつくる
□葬祭業者を選ぶ
□葬儀を行う場所を決める
□葬祭業者と相談し、祭壇や料理、棺などを決める
□葬祭業者に見積書を出してもらう
□遺影に使う写真を選んでおく
□葬儀で使う音楽を選んでおく(任意)
□旅立ちの服を選んでおく(任意)
□メモリアルコーナーに飾るものをまとめておく(任意)
□香典、供物などを受け取るかどうかを決めておく
□お別れ会をするかどうかを決めておく